東京・西多摩にお住まいのN様からのご注文。
以前、やはりウォルナットのベンチとテーブルのセットをご注文いただいた、ピアノの先生です。
このウォルナットは高級材ですが、その値段に見合う高級感と存在感のある、とても好きな材のひとつです。
しかし、ウォルナットの美しさを一番引き出すために、塗装は一苦労です。
まず、色の深みを出すために一度オイルを染み込ませ、その後、目止めにシェラックを塗布、最期に一般の方でも
扱いやすいように、クリアウレタン仕上げと、通常より2段階も工程が増える大変さですが、その手間に応える
重厚感のある仕上がりとなっています。
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サイズは、高さ85cm、間口1m40cm、奥行き40cm。
実はコレ、全く同じ2台を並べて設置しています。
製作依頼は1台でしたが、無垢材でこのサイズだと
重量もかなり重くなり、搬入・搬出の際の取り回しにも
困るため、通常は構造的には2台作り、ジョイントで
1台に組む手法を採ります。
ただ、ジョイントのために真ん中の壁にボルトの穴を
開けることになり、別々での設置には向かなくなるため、
それならば、製作までは同じで、「特にジョイントせず、
そのまま隣に置いては?」ということになりました。
これで、将来的に2台別々に設置しても問題はなくなり
汎用性が増す、非常にナイスな変更となりました。
天板の木目は、この配置できちんと流れがつながるよう
一枚の板を切って載せてありますので、外から見ると、1台のキャビネットに見えます。
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最近、キッチン収納の扉などによく使われるようになった、「ソフトクローズ」用のダンパーを採用。
ちょっと強く押して扉を閉めると、バタンとは閉まらずに、
自分で勝手にゆっくりと閉まってくれる、アレです。
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今回のデザインのコンセプトは、極力出っ張りなどを設けず、「ひとつの箱のような」感じのキャビネット。取っ手も左上写真のとおり、外に出っ張らせずに、天板下に指を入れて引っ掛けるタイプのものにしました。
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なかなかの大容量ですが、使用目的は、「ピアノ教室用の楽譜などを大量に収納する本棚」だそうです。
今回、検品担当の「らむ」は、何だか仕事を忘れてひとりたそがれていました。
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上の写真は、N様宅のピアノ室に設置した状況です。
床もウォルナットのフローリングなので、色気もピッタリ。
質感や高級感もグランドピアノに負けてないでしょ?
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