神奈川県F市にお住いの、職人のサラリーマン時代の1年先輩であったM様よりのご注文。
今回、同じF市ですが、お隣の駅前に新築されたマンションをご新居として購入され、そのお宅の家具として、とりあえず(^^)2点、ご注文をいただいたうちの一点。

その第一弾、キッチン収納キャビネットです。
通常、新築のマンションですと、シンク廻りは一体なので別として、後ろ側や吊戸棚などもシンク下と同じデザインでの作り付けキッチン収納を選ばれるのが一般的です。
ただ、そういったものは、機能性重視で、こう言っては何ですが、ツルンとしたモダンタイプの、あまりインテリアとしては面白みの無いものがほとんどです。
M様の奥様も、夢のご新居はご自分の気に入ったインテリアで埋め尽くしたい、というご希望にも拘わらず、業者さんから提示されたのは、選択肢の幅も無く、可も無し不可も無しの一般的なもの。
ご納得のゆかない中、旦那様の昔の後輩に、変わり種で脱サラの手作り家具屋がいることに気付かれ、ご相談を受けることと相成りました。^^

長くなりましたが、そんな経緯で、キッチン背中側に、壁面収納に近い、天井一杯までの高さの収納棚を作りました。
奥様が手描きで描かれたイメージ図をもとに設計し、詳細を詰めてゆきました。

材はアルダー材、サイズは間口1m50㎝、奥行45㎝、高さ2m17㎝とかなりの大型家具で、上・中・下の3段で製作し、現地で組み上げました。

写真ではあまりはっきりわかりませんが、色調は柔らかなオフホワイトにアンティーク調にするために「汚し」のエイジング処理が施してあり、使い込まれたフレンチカントリーのような感じに仕上げました。

まずは上段。

左右は可動棚2枚が入り3段使い、中央は下部にオープンスペース、上部は観音開きの扉内に可動棚1枚が入った2段使いという、飾り面付のフレーム＆パネルの扉を持つ収納ユニットとなっています。

次に中段。
左は手前に倒れる扉を備えた収納で、土鍋やカセットコンロなどの厚みのあるものを収納。

真ん中には電子レンジ、右側には炊飯器という、電化製品用スペースは、右側面の壁にあるコンセントから電源が取れるように開口が設けてあります。

下段は引き出しユニット。
これでもか！というほど深さや間口のサイズ違いの引き出しがなんと11杯！

仕舞うものによって、ちょうどいい深さや幅などが違うものですが、これならピッタリの引き出しを割り当てられますね。^^ 全ての引き出しには、フルスライドし、一番奥まで引き出せるスライドレールが取りつけてあり、ソフトクローズ機能も付いているので、軽く押してやれば自動的に最後まで閉まってくれます。

中段右側の炊飯器置き場は、使用時に湯気が出ても大丈夫なように、全体を引き出せるトレー式。
ここにもソフトクローズ機能付きのフルスライドレールを使用しています。

下段の引き出しユニットの中央と右の一番下の大きな引き出しは、なんということでしょう！(^^)レジ袋の掛けられる、分別用スタンドが内蔵してあります。

ゴミ箱は狭いキッチンで結構邪魔になり、出ていると格好も悪いものですが、これならばスッキリと隠れてくれますね。

引き出しの内箱には清潔感もあり、湿気に強い桐材を使用。

スライドレールが付いているので、中にギッシリと詰め込んでも楽々スムーズに開閉ができ、上述の「フルスライド」「ソフトクローズ」の他に、簡易的なロック機能も付いているので、少々の地震では飛び出してきません。

中段の前倒式扉を開いたところ。

上段左の扉の内部。
かなりの大容量です。