横浜市にお住まいのH様からのご注文。
大学時代の同級生のお母様で、昨年、ご主人様を亡くされ、1年間は居間のサイドボードの上にお写真と一緒に供養されていましたが、 ご主人様は生前から新しいお仏壇をと願っておられたため、1周忌を機に、製作のご依頼がありました。
もともとの古いお仏壇は昔ながらのデザインの扉付でしたが、今回はしきたりにこだわらず、すっきりとしたデザインのものを、
とのご希望でしたので、一見飾り棚のようにも見える、オープンタイプの「モダン仏壇」、「メモリーボックス」をご提案しました。
材は高級感もあり、厳かさも感じられるウォルナット材。
塗装は、オイルをまず染み込ませて木目と色に深みを出し、クリアウレタンで仕上げました。
サイズは、間口51㎝、高さ68㎝、奥行34㎝。
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3段構造で、上2段の棚板は奥行と長さを変え、両サイドからの片持ち(片側の壁だけで棚板を保持する構造)にして動きのあるデザインにしました。
最上段にご両親様とご主人様のお位牌を並べ、2段目、3段目にはお鈴や香炉、花立などの仏具を置かれたようです。
ちょっと見えにくいのですが、正面四方の幅広のフレームは外側から中に向って凹むような傾斜が掛かっているので、額縁効果と一緒で、中のお位牌やお飾りによりフォーカスが集まり、立体的に見えます。
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一見するとわからないのですが、下のフレームは引出しの前板を兼ねており、引出しが一杯組み込んであります。
右写真が閉じているところ、下の写真が引出しを引いたところです。
お線香や蝋燭などの予備を納めておくのに便利です。
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「隠し引出し」というほどではないのですが、 左右のフレームと下のフレームの隙間を極力少なくして、引出しを全体のデザインの中であまり目立たなくし、シンプルなイメージを壊さないようにしています。
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右の写真は引出しの拡大写真です。
前板の横面を見ると、フレームの傾斜の形状がよくわかります。
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まず日の目を見ることはないのですが、後姿にも手を抜いていません。
背板もベニアではなく、無垢材の薄板を切り出し、きれいな木目を見せています。
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